海外移住を将来的に考えている方向け。
日本を出て海外で働くことは一見自分のキャリアにプラスになる意見が多いです。
しかし、海外で働くことは常にリスクも伴います。
ベトナム移住暦7年目の私の経験から、移住前に考えておくべき将来のキャリアについて解説します。
前置き : エンジニアとしての海外移住におけるリスク#
先日このようなツイートをしました。
【移住前にしておけば良かった事】
— kzy@ダナン在住エンジニア🇻🇳 (@KzyRepository) April 17, 2021
移住後のキャリアについて、もっと考えておけば良かったと思う。
「とにかく日本を出て海外に住みたい!」という欲に駆られ、当時は将来のキャリアのことを全く考えていなかった。
こちらのツイートの通り、私の場合は全く海外移住後のキャリアを考えていない状態でベトナムに来ました。
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今から振り返るともっと自分のキャリアについて考えておけばよかったと後悔しています。
下記がそう考える理由です。
- エンジニアには年齢の限界がある
- 海外では日本より解雇されるリスクが高い
- 将来的にさらに物価上昇が進む可能性が高い
- ベトナム人による日本人の代替化
結論から先にお話しすると、海外移住前に自分の将来のキャリアについて考えていないと人生が詰みます。
言い換えると、仕事を解雇になり収入がなくなり日本へ帰国せざるを得ないケースになりうるということです。
こちらについては詳しくはこちらの動画でも解説しています。
エンジニアには年齢の限界がある#
よくプログラマには35歳限界説があるとされていますが、私の経験上正しいです。
なぜ年齢が若いエンジニアが開発現場で好まれるのか、理由は下記の通りです。
- 年齢が若い方が人件費が安い
- 年齢が若い方が学習能力が高い
- 開発現場でのエンジニアは若い方が好まれる
一部の優秀なエンジニアの方を除いては、ほとんどの方はエンジニアとしては現場を退く方が多いです。
よく「エンジニアになるのに年齢の限界はない」とTwitter等で見かけますが、私はそうは思いません。
なぜなら、「エンジニアになること」と「エンジニアの仕事を続けること」は全く別物だからです。
数十以上のプロジェクトを経験しましたが、未経験からエンジニアになりずっと働いている人は本当に稀です。
特に海外で働くとなると、エンジニアは現地の若くて人件費が安いエンジニアとの競争となります。
安い給料でエンジニアとして海外で長く働く方よりも、やはりエンジニアとしての経験を活かしプロジェクトマネージャーやディレクターのような上流の工程に進むケースがほとんどだと思います。
海外では日本より解雇されるリスクが高い#
海外で働く場合は日本よりも雇用者側が有利な場合が多いです。
ベトナムの場合は整理解雇(経営が厳しくなった際の解雇)や普通解雇(業務を怠った場合等の解雇)や懲戒解雇があります。
また、それ以外でも日本と同じように試用期間(Probation Period)があります。
この期間で雇用者側は労働者を雇う価値があるかどうかを判断します。
逆に言うと、試用期間さえ乗り切ればあとは通常通り業務に従事すれば解雇になることは滅多にないと思います。
将来的にさらに物価上昇が進む可能性が高い#
ベトナムでは年に約3~4%ほどインフレ率(前年と比較した時の物価上昇率)が上昇しています。
現在でも日本と比べると確かにベトナムの物価は安いです。
しかし、10年前と比べると確実にモノの値段が上昇しています。
物価が上がると収入もあげないと、今後どんどん自分の生活が苦しくなります。
そのため、資産運用や副業、または本業で給与交渉等をする必要があると思います。
ベトナム人による日本人の代替化#
そのため、多くの企業では日本語ができるベトナム人を育てる動きが活発化しています。
日本語ができることが日本人を雇う唯一のメリットですが、そのメリットが今後薄れていく可能性が高いです。
その上、日本語ができるベトナム人の方を雇う方が人件費も安く済むパターンが多いです。
今後日本人のベトナムでの雇用は現地の日本語ができる方との奪い合いになるでしょう。
そのため、今のうちから日本語+αのスキルを身につけることが重要となってきます。