モバイルアプリ開発で人気のあるFlutterですが、実はゲーム開発にも活用できることをご存じでしょうか?
その代表的なフレームワークが Flame です。
本記事ではFlutter Flameのチュートリアルとして、サンプルコードを用いたゲーム開発方法を初心者向けに解説します。
Flutter Flameとは?特徴とできることを解説#
特徴は以下の通りです。
- 🎮 シンプルなAPI … 初心者でもすぐにゲームを動かせる
- 📱 クロスプラットフォーム … iOS / Android / Web に対応
- ⚡ 軽量・高速 … Flutterの描画性能を最大限に活用
- 🔌 拡張性 … Box2D(物理エンジン)、Forge2D などと統合可能
Flameを使えば、シューティングゲームやパズル、アクションなどの2Dゲームを短時間で作れます。
Flutter Flameの導入方法|インストール手順と環境構築#
まずはFlutterプロジェクトにFlameを追加しましょう。
1. Flutterプロジェクトを作成#
flutter create flame_game_demo
cd flame_game_demo
2. pubspec.yaml に依存関係を追加#
dependencies:
flutter:
sdk: flutter
flame: ^1.15.0
3. パッケージを取得#
flutter pub get
これで準備完了です。
Flutter Flameのサンプルコード|キャラクターを表示する方法#
では、実際にFlameで動かしてみましょう。
以下は、画面上にキャラクターを表示する最小限のサンプルです。
import 'package:flame/game.dart';
import 'package:flutter/material.dart';
void main() {
final game = MyGame();
runApp(GameWidget(game: game));
}
class MyGame extends FlameGame {
@override
Future<void> onLoad() async {
// 背景色を設定
camera.viewport = FixedResolutionViewport(Vector2(400, 600));
add(SpriteComponent()
..sprite = await loadSprite('player.png')
..size = Vector2(64, 64)
..position = Vector2(200, 300));
}
}
このコードでは:
GameWidget によってFlameのゲーム画面を表示
SpriteComponent を使ってキャラクターを表示
画像ファイル(例: assets/images/player.png)を配置する必要があります。
pubspec.yaml にアセットを追加#
flutter:
assets:
- assets/images/player.png
Flutter Flameの応用機能|入力・アニメーション・物理演算の実装方法#
Flameでは以下のような機能も簡単に扱えます。
- タップやスワイプ入力の検出
- アニメーション再生
- 物理演算(Forge2D連携)
- BGM・効果音の再生
例えば、タップでキャラクターを移動させるコードは以下のように書けます。
class MyGame extends FlameGame with TapDetector {
late SpriteComponent player;
@override
Future<void> onLoad() async {
player = SpriteComponent()
..sprite = await loadSprite('player.png')
..size = Vector2(64, 64)
..position = Vector2(200, 300);
add(player);
}
@override
void onTapDown(TapDownInfo info) {
// タップ位置にキャラクターを移動
player.position = info.eventPosition.game;
}
}
Flutter Flame よくある質問(FAQ)#
Flameは無料で使えますか?#
はい。Flame自体はオープンソースで無料で利用できます。商用アプリにも導入可能ですが、念のため使用するライブラリのライセンス(READMEやLICENSEファイル)を確認してください。
Flutterの知識がないと使えませんか?#
基本的なFlutterの知識(プロジェクト作成、pubspec.yaml、Widgetの概念など)があるとスムーズです。ただし、FlameのAPIは比較的シンプルなので、Flutter初心者でもチュートリアルを追えば学べます。
3Dゲームも作れますか?#
Flameは2Dゲーム向けのフレームワークです。本格的な3Dゲームを作るならUnityやUnrealなどの3Dエンジンを検討してください。簡単な疑似3D表現なら工夫で実装可能です。
Webブラウザ向けにも対応していますか?#
はい。Flutter WebでビルドすればWebブラウザでも動作します。ただし、プラットフォームやブラウザごとのパフォーマンス差や入力周りの挙動に注意してください。
おすすめの学習リソースは?#
- 公式ドキュメント(Flameの公式サイト / GitHub)
- GitHubのサンプルリポジトリ
- Flameコミュニティ(Discordやフォーラム)でのQ&A
- YouTubeやブログのチュートリアル(サンプルを真似して動かすのが早道)
よくあるトラブルと対処法#
- アセットが読み込まれない →
pubspec.yaml
のパス確認、flutter pub get
実行、assetsディレクトリの配置をチェック。 - 画面サイズが崩れる/スケーリングが合わない →
FixedResolutionViewport
やカメラ設定で解決。レスポンシブ設計を検討。 - 入力(タップ・スワイプ)が反応しない →
TapDetector
などの mixin をゲームクラスに追加しているか確認し、イベント座標をeventPosition.game
で扱う。 - パフォーマンスが悪い → スプライトのバッチ化、不要な毎フレーム処理の削減、画像サイズの最適化を行う。
まとめ#
Flutter Flameは、初心者でも簡単に2Dゲームを開発できるフレームワーク です。
導入がシンプルで、Flutterの知識さえあれば誰でも短期間でゲーム制作を始められます。
さらに、クロスプラットフォーム対応 により、iOS / Android / Web へ同じコードで展開可能です。
これにより、開発コストを抑えながら幅広いユーザーに届けられる点も大きな魅力です。
これからFlutterでアプリ開発を考えている方は、Flameを学ぶことでゲーム制作の幅が広がり、通常のアプリ開発スキルにも相乗効果を得られます。
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